土・牛・微生物
2019-03-21 (木)
デイビッド・モンゴメリー著の本書に、比嘉先生の名前発見。
「山の微生物」MMと呼ばれる培養液は、林床の有機物から採取され、米ぬかと糖蜜を混ぜて有用菌を増殖させたものである。
「これは安くて効果的なので、ラテンアメリカ中で使われているわ」とコスタリカの農家が言うが、農学者である著者は、「化学的プロセスを規格化するのは難しく、確実な再現ができないので、農家の経験上、少なくともたいていはうまくいっていても、科学者の間では懐疑を招いている」との見解だ。
それでも、このMM培養液を使っての堆肥の作り方手順を詳しく説明する農水省の冊子が存在し、1990年代に比嘉先生の弟子が広めたようだ、と書かれている。
その後も、7頁に亘って,MMを活用している農家について書かれてあり、微生物の活用は土の中の畜産効果をもたらし、バイオ炭、被覆作物の併用、輪作の組み合わせで、数年で土壌が肥沃化し、不耕起栽培が可能になり、作業は軽減しながらも収量は増大するのに合わせ、炭素固定がなされるので、温暖化対策にもつながるとあった。
しかしながら、政府は新技術開発に対しての予算付けはしても、旧来の技術活用に対しては冷淡であるとも書かれていて、日本と同じ構造が見て取れる。