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2015-02月
「I am Kenji.」そして「Iam not Abe.」
2015-02-03 (火)
後藤健二氏が殺害された後の安倍首相は、2度もカンペに視線を向け、米英仏との連携を強く宣言した。
米英仏の首脳たちも同じく日本との連携を強調した。
まさに、イスラム国への宣戦布告とも取られかねない宣言であった。
元経産官僚の古賀茂明氏がテレビ朝日の報道ステーションで言った言葉「Iam not Abe.」に賛同と非難の声が多数寄せられている。
週刊ゲンダイのインタビューに答えた古賀氏の真意の記事の一部を以下に転記します。
安倍首相は対イスラム国の有志国連合の有力なメンバーになりたかったのだと思います。
世界の列強と肩を並べて、認められたい。それが安倍首相の願望であるのは間違いないと思います。
そんなときにイスラム国に身代金を払ったことがバレたら、米英に顔向けできなくなる。そんなリスクは背負いたくない。
後藤さんの命よりそちらを優先したのです。
25日、NHKの日曜討論で安倍首相は「この(テロ殺害事件)ように海外で邦人が危害に遭った時、自衛隊が救出できるための法整備をしっかりする」と言いました。
これは驚くべき発言で、イスラム国が聞いたらどう思うのか。
人命第一と言いながら、その交渉の最中に「いまは戦争できないけど、法律を改正したら、おまえたちを叩くために自衛隊を出すぞ」と言ったわけです。
普通の感覚であれば出てこない発言で、安倍首相は中東で米国と人質奪還の共同作戦をやりたいのでしょう。
人命のかかった危機を「政治利用」しようとするとんでもない発言です。
中東での日本のイメージとは「戦争をしない国」です。
ポジティブな平和ブランドがあるんです。
安倍さんはそれをぶっ壊そうとしている。
少なくとも政治的にも軍事的にも、米国の正義=日本の正義というイメージで走ろうとしている。
安倍さん自身の願望でしょう。でも、日本は米国とイコールではありませんよ。
日本は世界に敵が少ないんです。一方、米国はシンパもいるが敵も多い。
おそらく、米国ほど敵が多い国はないと思いますよ。途上国では中国よりも嫌われている。
イスラム国がやっていることはめちゃくちゃですが、その根底には米国がイラクやアフガニスタンで無実の女性や子供、民間人を大量に殺戮した過去がある。
その報復は国際法上は許されないが、メンタリティーとしては理解できる。
だから、イスラム国は急拡大したのでしょう。
そんな中、米国の正義=日本の正義で、米国の敵=日本の敵というイメージがつくられつつある。
イスラム国のPR戦略の巧みさもありますが、安倍さん自身がそういう認識の政治家であるというのも真実だと思います。
だからこそ、「Iam not Abe.」というプラカードを掲げる必要があるのです。
私たちは安倍さんとは違う、安倍さんは変なメッセージを送ったが、彼は日本国憲法を踏みにじるおかしな人だ、普通の日本人じゃない。
我々は違うということを、世界に訴える必要がある。
安倍さんのもとに結束しろという意見があるが、それは危険です。
「I am not Abe」ということで、日本人の命を守るには、安倍さんの考え方を否定すべきだということを言いたかったのです。
憲法の前文を見てください。
日本はあらゆる国と仲良くし、それを通じて、世界平和に道を開くことを基本理念にしている。
日本を攻撃しない人々を敵にするのは、憲法上、許されないのです。
この理念は後藤さんの考えと共通しています。「Iam not Abe.」ですね。
そうしたことを訴えるべきで、さもないと、世界中で日本人はテロの標的になってしまいます。