三次喫煙
2011-02-15 (火)
タバコの害において、受動喫煙が喫煙よりも悪影響があることは、最近認識されるようになってきていたが、「三次喫煙(thirdhand smoke)」という、新たな害について問題提起がなされた。二十年以上の喫煙歴者でも、タクシーに乗り込んだ時に、余りにもタバコ臭くて途中下車した経験が一度だけあるが、シートやソファ、ベッドなどにしみ込んだタバコの成分が空気汚染を引き起こすというものである。空気中に放散されたニコチンなどの汚染物質は家具表面や空気中のほこりなどと吸着して残っており、それらがガスとして再放出され、環境中のオキシダントやその他の化合物と反応して二次汚染物質を生成するという。たとえば表面に吸着したニコチンは、車の排気ガスや換気の不適切なガス・ストーブなどから生成される亜硝酸と反応して、突然変異誘発性を持つ物質や、ヒト発がん性があるとされる物質を作り出す。微量であろうと、危険物質に変わりはない。床を這いまわり、手当たり次第に口に入れたがる乳幼児のいるご家庭では、気を遣い家庭で吸わなくとも、衣服に付着したタバコ有害物質が悪さをする可能性もあるということである。くれぐれもご用心。