「土と内臓」

「土と内臓」

2017-12-13 (水)

植物は根から炭水化物を出すことで微生物を招き寄せ、根の保護被膜となり病原性微生物の繁殖を防ぎ、土中の有機物を分解させることによって、酵素や有機酸を生産させる。
それは、岩石からミネラルを溶出させることにもなり、己の成育を助長している。
逆に、化成肥料を使用してしまうと、植物の有効的な自助作用を阻害し、病原菌に対する抵抗力を減少させてしまう。
ひ弱な植物になってしまうということだ。
マメ科作物では、フィトケミカルの一種であるフラボノイドを生産して根から放出し、根粒菌を呼び寄せ、根の根毛細胞を操って根粒菌の周囲を囲んで丸めてコブを作り出す。
この根粒菌のコブは空気中の窒素を肥料分として吸収できる形である硝酸態窒素に変化させる。
それで大豆では肥料をやらないでも良いことになる。
そして、反当り20kgの窒素を固定化する能力があり、この量は、トウモロコシを作る時の窒素必要量と同等であるということで、まさに、無肥料栽培の可能性が十分にあることの証明でもある。
また、長期農業試験では、畜糞堆肥を施した有機農業では、土壌炭素と土壌窒素が増加することが明らかになり、捕食するクモの増加によりアブラムシが半減し、生きた農薬として効果が出たという。
反対に、無機の窒素、リン、カリウムを施すと微生物が土壌有機物を分解する速度が3倍以上になるという記録もあり、土壌が痩せていくことの現実と合致する。
人間の腸内細菌も、善玉菌を増やすためには、精白糖は厳禁で、やはり玄米や全粒粉などの全体食が最善のようだ。
摂取後すぐに吸収されてしまう精製された食物は、内臓などの各器官に異常を及ぼすようで、人工甘味料(カロリーゼロ)は腸内細菌のバランス異常を起こし、Ⅱ型糖尿病や肥満を引き起こす。
神経伝達物質セロトニンは大腸で生産される神経系と繋がっているので、腸内細菌の異常は感情に影響を与えてしまう。
また、脂肪の取り過ぎは、大腸への胆汁の過剰流入を引き起こし、大腸で二次胆汁酸に変わると細胞に毒性を持ってしまい、細胞の異常な成長を促し、腫瘍に変わる可能性が生まれる。
マグネシウムの不足はADHD、うつ病、統合失調症の原因となり、マウス実験では、アトピーや腸炎の発症も確認されている。
亜鉛不足は感染症、鉄不足は集中力の低下、銅不足は骨の不形成の要因となる。
おばあちゃんの作る茶色の食事、砂糖や脂質の少ない昔ながらの日本食が健康を維持することになる。
炭水化物、食物繊維、ビタミン、ミネラルなど、健康管理は、それほど難しいことではないのかもしれない。

EMとはEffective Microorganismsの略語で、有用な微生物群という意味の造語です。 EMは自然界から採種し、抽出培養した複数の微生物資材で、琉球大学農学部の比嘉照夫名誉教授が開発しました。

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TEL:011-398-5817
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代表細川義治のプロフィール
2011年NPO法人
北海道EM普及協会 理事長
活動内容
・生ゴミ堆肥化の技術指導(札幌市の派遣講師事業)
・家庭菜園でのEM利用技術の普及
・授産者施設でのぼかし作りの指導
・小中学校の環境改善のためのEM利用の普及
・有機農産物の普及
趣味
・映画鑑賞
・1匹の愛猫との散歩