防衛省の日報隠蔽問題
2017-08-01 (火)
内閣改造を数日後に控えた28日に辞任した稲田大臣の資質は論外で、今回の日報隠蔽に関して、「内部告発は一種のクーデター」、「上層部に従えない軍隊はあり得ない」などの時代錯誤のコメントを出す識者と言われる人間もいた。
文科省でも情報リークの犯人探しが行われ、公務員の機密保持に強い危機感が表明された。
しかしながら、諸悪の根源は、事実をありのままに公開しないことにあり、森友、加計学園問題の打合せ資料の隠蔽、自衛隊日報の非公表の体質こそが大きな問題である。
特に、日報隠蔽は、自衛隊員の生命が危険にさらされている事実を国民に知らさなかったことであり、戦前の「兵隊の生命は使い捨て」思想に近いと考えざるを得ない。
また、「官僚は政治家の配下」的な考えや、「軍隊において上官の命令は絶対」などは、「個」よりも「国」を絶対視する日本特有の危険な考え方であることを肝に銘じておかなければならない。
先の大戦後の裁判で、「上官の命令」であろうが、非人道的な行為に対しては、軍部の非であると共に、実行した部下個人の非でもある、と認定された事実を忘れてはならない。
「美しい国日本」を取り戻すために、自衛隊をアピールしてアジアでの覇権を中国と争うつもりなのでは?とも考えてしまう。
両学園問題で安倍首相の信頼感は急落し、次なるトップは誰なのか見通しが立たないまま日本は政治3流国家として存在感を落として行くのであろうか。
少なくとも、思想が違う国民を敵視し「こんな人たち」発言をする安倍首相のような政治家は、リーダーとして失格である。