政治の質
2016-12-21 (水)
IR推進法案が6時間という短時間で強行採決されたことに関連して、松井大阪府知事は、反対する民進党に対して「馬鹿な政党」と断じた。
沖縄に派遣されていた大阪府警の「土人発言」に対して、「立派に職務遂行している」と擁護した人物であることと併せ、政治家としての資質に疑問を抱かざるを得ない。
本来、民主主義は「多数決主義」にあらず、「少数意見の尊重」こそが最優先されるべきである。
アイヌ民族においては、意見の対立の解消のためには、幾日をかけても話し合いをする「チャランケ」という習慣があったという。
意見の違う相手に対する尊敬の念を持って皆で話し合い、すべての人が納得するまで続けられ、結論に達することこそ理想の政治である。
沖縄の問題にしても、県民の民意は無視され続けている。
多数を背景に、議論のない「決める政治」の愚かしさでは、未来は開けない。
米国大統領選挙においても、両者の非難合戦が繰り広げられ、政策論争にならなかったことが、これからの米国の行方、ひいては世界情勢に大きな悪影響を及ぼす懸念が大きくなるばかりである。