ナノ物質とビスフェノールA
2011-02-01 (火)
化粧品、衣料品、洗剤などに「ナノ物質」を含むものが大量に出回り始めているが、ケンタッキー大学の研究者たちは、ナノ粒子が排水を通して土壌に蓄積され、食物連鎖の輪の中に入り込む危険性を考え、ミミズを用い研究した。28日後、ミミズの体中にナノ粒子が分布し、特に腸での濃度が最も高く、ミミズの死亡率には影響を与えなかったが、繁殖力は90%落ちたという結果を得た。このことは、ナノ粒子は一般的に環境中において低濃度で検出されるが、もし食物連鎖中で生物凝縮するなら、人間の健康を損なう大きな可能性があるということである。
昨年11月に、米国のほとんどすべての食品中にビスフェノールAが検出されたという情報を合わせて考えると、まさに、危険物質まみれで社会が成り立っているようである。成人の心臓疾患及び糖尿病、子供の異常行動と関連付けられているビスフェノールAは、日本国内では危険性が低いということで、禁止には至っていないが、数年前、低用量での健康被害に関する研究結果が出されて以来、摂取の危険性がある缶詰の多食などには注意をほのめかしてはいる。しかし、残念ながら既に日本人の体の中に、ビスフェノールAはかなりの濃度で入り込んでいるとされている。ちなみに、カナダは、昨年10月に公式の有害物質リストに加え、規制対象の可能性を打ち出した。缶詰商品ではその濃度が高くなるものが多いので、特に気をつけなければならない。