過剰医療
2011-01-13 (木)
過剰な医療は健康へのリスク 北海道新聞1月5日札幌圏25面の掲載記事から
「異論な視点」ということで、一般に知られている情報に疑問を投げ掛ける意見を取り上げていた。今回は健康診断や薬の弊害について書かれていた。新潟大学医学部の岡田雅彦教授は言う。高血圧患者への薬による血圧低下が最終的にもたらすすべての病気による死亡率は、実薬、偽薬どちらもほぼ同じであり、それの原因は、降圧剤による血圧の下がり過ぎ、血流の流れを悪くすることによる脳梗塞、服用によるうつ状態での自殺などの結果だと言う。つまり、薬が死亡原因となるということだ。また、肺がん検診に至っては、放射線によるものと考えられる死亡率の増大や、ネット社会で広がっているメタボ検診の不要論なども言っている。血液検査で健康チェック、そして、医療費の増大を防ぐには、スェーデン式の予防中心の地域診療所制度の確立を目指せ、には大賛成である。
また、購読している「食品と暮らしの安全」2011年1月号によると、政府広報などにより精神科の受診率は上がっているのに、自死は減少していない、とあり、3年前と比べて受診しながら自死した人の割合は5割から7割へと増加している、と言う。軽度の鬱と診断されて処方される様々な薬が、副作用を及ぼし、自死にまで至らしめることも多分にあるとの話には愕然となる。さらに、異常死体の行政解剖などを行う東京都観察院の2001~2005年の報告書を見ると、覚せい剤などの違法薬物による事例は5.5%で、精神科による処方薬物によるものは87.9%とある。巷では、精神科は薬漬けにして一生治らないようにしているとの話を聞いたことがあるが、まさしく数字が明確にそれを物語っている。また、経口禁煙補助薬「チャンピックス錠」は向精神薬とほぼ同じもので、米国では、中毒死が報告されているのに、日本では隠されているとのこと。治したくて薬を飲んで、中毒症状から抜け出せない患者さんもいるとの話には、医者は何をしているのかと怒りがこみあげてくる。経営者、官僚、検察の独善、政治家、マスコミの低レベル化もひどいが、医学の関係者も同じ穴のむじななのか。様々な分野で社会の中枢を担う社会人の体たらくは、日本の衰退を象徴している。数十年前の実績に与えられたノーベル賞に浮かれているときではない。
岡田教授のような人たちが増えなければ、日本は医療費で破たんする。
気になって自分の定期検診結果を探してみた。平成12年4月が病院での最終検診であった。10年前である。それまでは毎年受診していたのだが、いつも心配ないのでやめて、その後は、献血による血液検査結果を健康チェックとしていたのだ。しかし、それも平成17年8月が最後で、終わっている。「過去にB型肝炎ウイルスに感染したことがある」という通知が来たので、それからは、16歳の時から始めた献血が出来なくなったためである。もう5年以上前になるので、今年は血液検査だけでもしてみようかと考えた。