商業捕鯨の再開
2018-12-27 (木)
来年6月に国際捕鯨委員会からの脱退を決め、古来からの日本の捕鯨文化を取り戻す、ということのようで、賛否両論ある中、「食の安全」の観点から調べてみた。
江戸時代からの捕鯨歴があり、追い込み漁法開始から50年の和歌山県太地町の住民を対象にした平成21年の国立水俣病総合研究センターによる報告書「太地町における水銀と住民の健康影響に関する調査」には、
【結論】として「調査対象の太地町住民の毛髪水銀濃度は、国内14地域と比べると顕著に高く、それがクジラやイルカの摂取と関連することが示唆された。しかし、今回の健康調査の範囲内では、メチル水銀中毒の可能性を疑わせる者は認められなかった。」
【今後の研究について】
「今回の調査では、太地町住民において、メチル水銀中每を疑わせる者は認められなかったが、毛髪水銀濃度の非常に高い者を認めるため、健康影響の調査の継続が必要である。平成22年度以降も毛髪水銀測定および神経学的検査を継続するとともに、小児への影響や循環器系への影響などを、国立水俣病総合研究センター外の専門家も含めた研究班を設置して調査研究を進めることを検討している。なお、脳磁計をニ点識別覚の客観的評価法に活用できないか国立水俣病総合研究センターにおいて研究を行っており、太地町の住民からも脳磁計検査への協力を得てデータの収集を行った。今後、健常人や感覚障害を呈する疾患の症例の収集により評価基準を確立した後に、太地町住民の感覚系の評価を改めて行うことを予定している。」
とあったが、この調査では、住民の約3割しか参加しておらず、体調不良の住民が自発的に調査に参加しなかった可能性は否定できず、小児への影響や循環器系への影響などを考慮すると、悪影響を与える食物は出来るだけ避けるべきと考える。