樹木希林さん
2018-10-01 (月)
75歳で亡くなられた彼女を悼むドリアン助川さんの追悼の記事(北海道新聞9月21日夕刊)には、弱者に寄り添い行動に移す彼女の本質が語られていた。少しだけ抜粋させて頂きました。
“紛争状態にあったウクライナでの映画祭には、周囲の制止にも関わらず「そういうところだからこそ行ってあげたいわよね」と言って、二人だけ(ドリアン助川さんと希林さん)で訪れ、見終わったあと、目頭を押さえているウクライナの人々を静かに抱きしめた。
福島県会津の山間部の中学校では、映画の感想を言えずに固まってしまった女生徒を、やはり全身で抱きしめ「私も同じだったんだよ。ひとこともしゃべれない子だった。でも、胸の中にはたくさんの言葉があるよね」女生徒は無言のままうなずいた。
ウクライナの映画祭からの帰り、希林さんは自宅に戻らず、なぜかそのまま沖縄へ向かった。翌日、辺野古埋め立てを阻止しようとする沖縄のおばあたちと腕を組む希林さんの姿があった。映画祭からの衣装そのままで。“
若いころからの老け役で異彩を放っていた樹木希林さんであるけれど、最近は社会派的な映画への出演が続いていた。
人間の本質や現実の社会を淡々と表現するものが多かったように思えるが、人の心を見透かす眼力があったのだろう。
共演者たちの言葉には、凝視された思い出があるという。
全身ガンであるにも関わらず、ガンと共生しながら最期まで女優業を続けた生き様には感嘆するばかりです。