福島関連書籍
2018-06-01 (金)
「私の夢まで、会いに来てくれた」 3・11 亡き人とのそれから
東北学院大学 震災の記録プロジェクト 金菱清(ゼミナール)編
大学生16人による「夢」についての聞き取り調査をまとめたもの。
亡くなった家族が出る夢は、幻想?霊の働き?安易な判断はしかねるが、同じ夜に違う人間の夢に現れたり、残された人の落ち込んだ気持ちを慰めていたり、飲食物をおねだりしたり、まるで、普通に存在しているかのように感じている遺族や、夢で会える事が生きる力となった遺族もいる事を考えると安易に否定出来るものではない。
そして、震災時のことを思い出すのは辛いけれども、震災当時の話をすることで気持ちが和らいだ、と言われたことで、学生さんたちの未来のためにも、この取材が素晴らしい体験であったことが伺える。
「津波の霊たち」 3・11 死と生の物語 リチャード・ロイド・パリー
英紙「ザ・タイムス」の東京支局長の在日英国人の著書。
大半の児童が犠牲になった大川小学校についての調査をまとめたもの。
なぜ、高台に避難しなかったのか、残された家族の痛みに寄り添って、やりきれない気持ちを少しだけでも癒してあげようという気持ちが感じられる。
「魂でもいいから、そばにいて」 3・11後の霊体験を聞く 奥野修司
様々な霊体験が語られている。
しかも、ぬくもりや声、姿までも見せていることもある。
動くはずのないおもちゃが動き出したり、メールが届いたり、様々な不思議現象をそのまま受け入れることしか出来ない。
北海道新聞の記事から上記の書籍を知り、読んでみたが、被災者の人たちの心は未だに癒えていないことを教えてくれる。
霊、魂、不可思議な現象を、どう捉えるかについては大きな個人差があろうが、昔から言われている「虫の知らせ」のような体験をしている人は多いのではないのだろうか。
横浜の兄が事故で亡くなった時、岩見沢で同居している弟の身体を通して、「早く死んでしまってごめんね」と兄が母親に何度も謝ったと聞いた。
突然の死は、霊魂に特別な力を与えるのかもしれない。