ノーベル賞大村智氏の著書にEMに関するエッセイ掲載
2016-11-09 (水)
ゴルフ場近くの土壌から採取した微生物から、熱帯地域の風土病に対する特効薬を開発し、2億人の命を救った男としてノーベル生理・医学賞を受賞した大村氏の2016年7月に発行された受賞記念著書「自然が答えを持っている」は、受賞講演を巻頭に、過去のエッセイで構成されている。
美術に造詣の深い氏は、「感性を磨き、人生を豊かにしていくことは、人間として一番大事なことだ」そして、「全科目に秀でた優等生を讃えることよりも、一つの事に秀でる人材こそが尊ばれる世の中にならなければ日本の未来はない」と言われている。
そんな文章に混じって、雑誌「中央線」2001年58号に掲載された「歴史に思う」というエッセイでは、1995年初版発行の比嘉先生と渡部昇一氏共著の「微生物が文明を救う」を読んでの感想が綴られている。
役立つ微生物を選び混ぜたものがEMで、土壌を改良することで食料を増産し、膨大なエネルギーを必要とする化学肥料に比べ、EMは廃棄する有機物で増殖させられるとし、次の文章で終えられている。
「一農学者によって、化学肥料を使う以前の農業の中にあった人類の知恵が歴史から抜け出し、再び役立とうとしているのである。」
*過去の沢山のエッセイからの抜粋で本が校正されているであろうことを考えると、この一文が採用されたことは、微生物に対する強い思い入れの結果と思われる。
微生物の素晴らしさを知る人が、ノーベル賞を受賞したことに改めて強い喜びを感じた。