葛西紀明
2015-01-05 (月)
42歳にして、世界のトップジャンパーとして活躍していることに感動を覚える。
5日の朝刊には、ジャンプ週間第3戦を兼ねたW杯第12戦で見事3位の成績。
レジェンドと呼ばれながら、いつまで脚光を浴び続けられるのかと興奮を抑えきれない。
高校生の時から25年以上世界を舞台に挑戦し続け、40歳を過ぎても表彰台に上がっている現実は、まさに奇跡である。
特に、瞬間の判断、瞬発力、筋力、風に対するバランス調整など、すべてが噛み合わなければならないジャンプ競技においては至難の業なのだ。
長野五輪での団体出場を外された悔しさがバネになっていると本人は言う。
しかし、精神力だけではどうにもならない体力の限界があるはずなのだが、天賦の才に人並み以上の努力の賜物なのであろう。
両手の五本の指までも大きく開いて、浮力を少しでも得ようとするスタイルは、脚力のみならず、上半身、肩、腕も含めたすべてのバランスが取れなければ成しえないテクニックなのだ。
また、その人柄も素晴らしいと知人が話してくれた。
メダルを持って会社訪問してくれたのだが、誰に対しても優しく微笑みながら接してくれて、大ファンになったと満面の笑みであった。
一時期、所属していた会社が次々と倒産し、疫病神のように見られることもあったことを考えると、まさに奇跡の苦労人なのだ。
こんなスーパースターが北海道にいて、感動を覚えられることに感謝したい。
そして、これからも、素晴らしい活躍を期待したい。
くらべて、優勝が当然と思われている高梨沙羅ちゃんは少し可哀そう。
平昌五輪までの3年間をすべて勝ち続けることが要求されているのだから。
優勝という呪縛から解放させてあげたいと強く思うが、その解決策は、沙羅ちゃんと同じくらいに強い日本女子選手が現われてくることだ。
勢藤優花、伊藤有希選手の大いなる成長を祈る。