幸福力養成講座
2014-10-04 (土)
9月28日、北広島にある道都大学で、友人でもある、遠藤均氏の公開講座があり参加。
中村久子という女性の生き方を具体例として、価値観の変改による幸福感の充実を簡明な語り口で解説をされた。
現実的な環境がどうであれ、すべての人生に幸福は実感可能なものだと結論付けていた。
幼少時の病による四肢切断、愛する父の死、自らの肉体を見世物としての旅興業という過酷な人生を歩まなければならなかった中村久子氏が、ある雑誌の記事をきっかけに、それまでの価値観を見直すことで、己を苦しめてきた肉体、虐げた人たちにさえ、感謝する気持ちを持つことができたという事実を基に講義は進められた。
辛い悲しい体験は、精神的に大きな成長を促し、人間としての寛容性を大きく育ててくれるものであり、絶望という言葉と無縁になるためのものだという。
小さなきっかけが、時として大きな意識の変革につながることがあり、同じ状況でありながら、全く反対の感情を持ちうるとのことであった。
それは、心に響く何か不思議なことなのだが、中村久子氏の場合は、一つの雑誌に掲載された記事であった。
寝たきりでありながら購買部の仕事をこなしている女性の記事であり、その女性との出会いが、真逆の価値観を受け入れさせたのであった。
そうなったことで、彼女の己の人生のあらゆることを全面肯定し、幸福感に満たされたのである。
この講義を聴いて、東北の震災を振り返れば、絶望の淵から這い上がるのはとても難しいことではあろうが、被災した高校生たちのしっかりとした言葉を聞いていると、未来への希望が感じられるのはそのせいであろうかと考えた。
そして、震災直後に考えさせられた「幸福」という言葉の意味をもう一度現実と重ね合わせて行かなければならないと思った。
家族、友人、隣人、地域など様々なつながりこそが、本当の意味の「幸福」をもたらしてくれるものであり、決して経済的な裕福が「幸福」と直結するものではないということである。