牛脂注入肉
2013-11-17 (日)
安い肉で、アレルギー原因物質も、と報道され生命の危険にまでが、と感じていたのですが、日刊ゲンダイ2013年11月9日号の記事ではもっと詳細に書かれていました。
恐ろしい偽装ですので、短く要点を拾ってみました。
「海外の”廃牛肉”が、日本で霜降り肉に変身」
牛脂注入肉肉質の硬い赤身牛肉に牛脂液を注入した人工霜降り肉のこと。
ショ糖エステルなどの乳化剤で牛脂の塊を液状化させ、それを赤身に注入すれば、霜降り肉になる。その際、牛脂液と一緒に軟化剤(うま味成分のアミノ酸を引き出し、同時に肉も軟らかくする)を注入する。
オーストラリアでは硬いために、動物園へ回される廃牛扱いのホルスタイン種や、繁殖用老齢牛の廃牛肉が大量に日本に入り、それが牛脂注入によって霜降り肉になる。
和牛の脂を使うことで、うま味と香りがのり移り、肉食獣のエサが大変身。
一気に商品価値が高まり、全国の大手スーパーにも並ぶし、ファミレスや焼き肉店では”極上霜降り肉”"高級カルビ”になったりする。
また、牛角で騒動になった「成型肉(結着肉)」、細切れにすれば、サイコロステーキになるが、これには別の作り方もある。
寄せ集めのクズ牛肉を結着剤のカゼインナトリウムとアルカリ性糊料などで練り固め、それに牛脂を注入して完成させるのだ。
問題なのは、細切れのクズ肉ゆえに、全体が外気にさらされ、汚染(細菌付着)のリスクが高いこと。
それが固められることで細菌が内部に閉じ込められるため、衛生管理や調理に不手際があれば、食中毒を引き起こす危険性があるし、すでに相当数の被害者が出ている。
牛脂注入肉は、脂によるうま味と引き換えにカロリーを増加させているので、高血圧症や血糖値が高い肉好きは過食に注意すべきだ。
一方、細切れ肉の接着をよくするため、リン酸塩が添加されていることにも要注意。
リン酸塩の取り過きはカルシウム吸収を阻害して骨をもろくさせ、また動物実験では、腎臓結石ができることが確認済み。