食品の裏側
2013-10-27 (日)
『食品の裏側――みんな大好きな食品添加物』の著者安部司氏と、『カロリーゼロにだまされるな――本当は怖い人工甘味料の裏側』を上梓した医師の大西睦子氏の対談から知るこわーい真実です。
*水耕栽培野菜や野菜ジュースの怖さ
野菜の水耕栽培は、水耕で抵抗力がないので抗生物質と似た化学化合物を投与していて、超多毛作なので植物ホルモンも与えている。
しかも、葉っぱを大きく育てるために窒素肥料を大量に投与しがちなので、硝酸態窒素が残り、それを人間が大量に摂取するとチアノーゼ(メトヘモグロビン血症)を起こす可能性がある。
欧州では、野菜への硝酸態窒素系の残存量に非常に厳しいので、同地域の基準値に照らすと2~3倍もの残留が検出される日本の野菜は輸入禁止になる場合もあるが、硝酸態窒素の含有量の基準そのものが日本にはない。
また、日本では野菜そのものだけでなく、加工製品も要注意。そのひとつが野菜ジュースで、ある製品では水道水基準値の10倍もの硝酸態窒素の残留が検出されたという。
原料の野菜の多くは海外複数国で濃縮(低温沸騰させて6分の1程度に煮詰めたケチャップ状にして輸入し、国内で水で戻して“還元”して使われる)される際に、ビタミンCや酵素は壊れてしまう。
その証拠に、ビタミンCを含む市販の野菜ジュースはほとんどないはずで、もし栄養成分にビタミンCが含まれているなら、それは栄養強化と変色防止のためにビタミンCが後から添加されている。
*飲料に含まれる添加物の危険性
「カロリーゼロ」や「カロリーフリー」をセールスポイントにした一部の発泡酒や「第3のビール」には、甘味料のアセスルファムカリウムやカラメル色素が添加されている。
また、あるオレンジ色の清涼飲料の植物繊維は人工的に合成されたもので、コチニールという昆虫のメスの内臓を乾燥させたものから抽出したコチニール色素で着色しているが、天然由来とはいえこの物質は曲者。
ハムやソーセージ、カマボコなどの着色にも用いられていて、10年程前からこの物質が原因と見られる子どものアレルギー報告が出ていたが、国はずっと無視し続けてきた。
ようやく昨年になって新聞に関連記事が掲載されて話題になったが、現時点で使用規制はまだ設けられていない。
ちなみに、発泡酒は、1本の発泡酒から3本分作ることができ、麦芽やホップを直接使用しなければ酒税が安くなるので、発泡酒を大麦スピリッツ(大麦を用いた蒸留酒。
酒税上はリキュールに分類)などで割って伸ばして製造している。ほとんどがリキュールで、言わばビール風味の缶酎ハイである。