チビの24時間
2013-02-02 (土)
1月18日、12時前に若い農家の方の訪問があり、猫たちは一旦表に逃げるも戻ってきて、エサを欲しがった。
その時は、話続けてエサの要求を無視していると、無理だと諦めたのか、チビだけが再度外に出て行った。
小一時間ほどして、お客さんを見送った後、口笛を吹いて呼んでみるも、近くに居るはずのチビの姿が見えない。
この寒空の中、いつもは10分ほどで帰宅するのに、と思いながら3時過ぎに近所を一回りしてみたが気配が無い。
道幅が狭くなっているので、車に追いかけられて訳もわからず真っ直ぐに逃げて、迷子になっているのではと心配になる。
夕方、探していると、市民農園でよく顔を会わせる方から、昼過ぎに1km以上離れた中学校の近くで黒猫を見たとの情報を得て、車で行ってみたが見つからない。
それからは一時間ごとに口笛を吹きながら探す範囲を広げていった。
気温はどんどん下がってきて、夜中の0時にはマイナス11℃にまで下がった。
足の裏や甲にも痛みが出てきて、運動不足を実感する。
4枚の重ね着でも身体の芯まで冷えてしまって、部屋でストーブに当たってもなかなか暖まらない。
近くの神社も探してみるついでに、お賽銭も入れずにこんな時だけお願いをしてしまう自分が情けない。
雪の中、キロンが迷子になって遠くの家の玄関前で鳴いていたことや、モモが車の下で身動きできなくなっていた時を思い出すと、寝てしまうわけにはいかない。
静まり返った住宅街を口笛を吹きながら探し回ったが、とうとう朝になっても見つけられない。
玄関を少し開けたままだったので、トイレの水が凍っていて流れない。
熱湯を沸かして流し込む。
どたばたしながらも、夜が明けて、朝の太陽と気温の上昇は、気持ちを和らげてくれ、ひょっこりと帰って来るような気にさせてくれた。
中学校の近くにも何度か行った。
2度目の時に、黒猫がこちらに走ってくるので、チビ、と声をかけたが、すぐに逃げてしまった。
少し若い猫だった。
朝方には車庫の前で朝日を浴びている黒猫を見かけて、近づくとゆっくりと逃げて行った。
少し太り気味の別の黒猫であった。
ひょっとすると、10年前にうちの近くを縄張りにしていたチビの親兄弟が、こちらまで歩いて来て、生き続けているのかもしれないと感じた。
そして、24時間経った12時前、探し回って帰宅すると、なんとチビは部屋に帰って来ていた。
そして、モモのエサの残りを平らげて、何事も無かったようにすり寄ってきた。
しかし、あれから10日、チビは滅多に外に出なくなった。やはりどこかで寒い一晩を過ごして、大変な思いをしたのであろう。