石川啄木
2012-01-07 (土)
今年は没後100年に当たるということで、道内各地で行事が予定されているようです。
啄木といえば45年前の中学1年生の時、K先生の最初の国語の授業が出会いでした。
黒板に短歌を十首ほど書きなぐって、「いいだろう」と言ったのです。わかりやすい生活感のあるものばかりでした。すべてを、ノートに書き写して、最初の授業は終わったのですが、今思うと個性的な先生がいたことと、幸せな時代を生きていたことを実感します。
高専に入って1年目に釧路で道内4高専のスポーツ大会があり、その時に啄木の絵葉書セットを購入して、手紙をやりとりしていた女の子に送ったこともありました。
社会人になってからも啄木に関する本があると読んだりもしていて、それぞれの時代で感じ方が変わったことを思い出しました。
才能がありながら、生前は認められることなく病に倒れ、失意のどん底でこの世を去ったことは無念でしょうが、その後、多くの人の心の書として生き残っていることを考えれば、まさに天才であったのかもしれません。
しっとりと 涙を吸える砂の玉 涙は重きものにしあるかな
命無き砂の悲しさよ 握れば 指のあいだより落つ
死にし児の 胸に注射の針をさす 医者の手元に集まる心
岩手山 秋はふもとの三方の野に満つる虫を 何と聴くらむ
ふるさとの山に向かいて 言うことなし ふるさとの山は ありがたきかな
やはらかに 柳青める 北上の岸部 目に見ゆ 泣けとごとくに